見知らぬ少年に180円要求されて本気で驚いた

イオンモールへ買い物に行って、フードコートの丸亀製麺で「鬼おろし鶏からぶっかけ」を食べました。

どんな感じかなと思いながら注文してみましたが、美味しかったです。満足しました。
十分に涼み、時間帯は夕方16時台。
さてバスで帰りましょうということでイオンモールの玄関からすぐのバス停に向かいました。まだ中途半端な時間帯で、バス停のベンチに座っているのは小学校5年生くらいの小太りの少年ただ一人。
少し距離を置いて隣のベンチに座ると、少年が「モバイルバッテリーが…」と何やら独り言を言っているのが聞こえました。「今時の子供はモバイルバッテリーも持ち歩いてんの? 凄いな」と思いながらバスを待っていると、少年が「無料の券…券が無い…」とごそごそし始め、私に向かって「無料の券持ってないですか?」と声をかけてきました。
無料の券とは一体…????
何のことか分からない。バス停で聞いてくるという事はバスの回数券のことかしら?と思った私は「イオンモールの中にバスの営業案内が有ったと思うんで、そこで聞いてみては」と答えました。

少年「180円…」
私「ん?」
少年「180円無いんですよね…」
私「バス代?」
少年「180円あればアイスが買えるんですけど」
私「?」
少年「アイス…アイス食べたい…」(←俯いて何回も言う)
私「…でももうすぐバスが来るし(買いに行くと)間に合わないのでは?」
少年「すぐそこに(イオンモールの玄関の付近に)自動販売機が有ります」(←めちゃくちゃ明るくハキハキした感じで言われた)
私「そ、そうなの…」

こんなことが自分の人生で起こるなんて全く予想していませんでした。
イオンモールのバス停で見知らぬ少年に要するにアイスクリームを奢ってくれと訴えられるという謎シチュエーション。
バスはあともう少しで到着します。
どうする私。どうしたらいいんだ私。
これはね見たことが有りますね、アレですよ、日本昔ばなしで出てくるやつですよ、神の試練ですね、知ってます知ってます。ここで親切にするかしないかで運命が変わるやつですよね。ここで謎の少年(実は神)に施しをすることで主人公は大金持ちになるんですよね? 知ってますー知ってますー。(暑さのためにおかしくなっている)

少年「180円があれば…180円…アイス…アイス食べたい…」(←言い続けていた)
私「あー、暑い暑い…………あと2分でバスが来るけど…」
少年「行けます!!!!」(←めっちゃ笑顔で元気)
私「(財布から200円を出す)行っておいで!!」
少年「有難うございます!!」

なんだこれ。マジで何なんだこの展開は。こんなことが本当に現実に起こるのか? 誰なんだこの子は。
素知らぬ顔でバスに乗り込んで「まぁ、少年がアイスを食べて幸せになったのならそれで良いってことよ…」と思っていたら、発車ぎりぎりになって滑り込みで乗り込んできてアイス片手に「お釣りです」と20円返してくれました。
あ、ありがとうね…(?)。
私はバスの車内では緑を焼くためにバースター連射に忙しく(ひたすら撃ち続けるのでiPhoneの画面しか見ていない)その後の少年の様子は見ていません。

実はちょっと前にぼんやり思っていたことがあるんです。
インスタを見ていたら「添加物無し! ヘルシーで子供に与えても安心な手作りアイスクリーム!」系のレシピがよく流れてくるんですよね。
嫌だなぁって思って。なんかね、豆腐とかヨーグルトとかで作るんですよね。
いや、大人は良いんですよ。あえてそのなんちゃってアイスクリームもどきを食べりゃいいんですよ。好きにしたらいいです。でも子供からしたら最悪なんですよね。本当に最悪。うちの母親もそういうタイプだったので分かる、子供からしたら「みんなが食べてる普通のアイス」を食べたいんですよ。意識高い系天然生活嗜好な母親の水切り豆腐やヨーグルトに蜂蜜と冷凍フルーツを加えて美味しい~!みたいなやつ、子供の心が傷つくんですよ。選択肢(権利)が無い子供に食べ物で悲しい思いをさせるな(アイスだけじゃなくてケーキとかもそう)。
アイスって大人になったら別にそんな大したものではないし、食べなくても別にいいものじゃないですか。食べたい時があるならいつでも買えるし、特別感のある食べ物ではないですよね。
でも子供にとっては特別で重要なんですよね、夏のアイス。子供にとっては幸福の象徴みたいなものじゃないですか、夏のアイス。
子供に食べ物で悲しい思いをさせないでほしいんですよ。(大事な事なので2回言う)
適切な量をきちんと買い与えてほしい。
……というようなことをつらつら考えていたところに謎の少年が現れたので余計に驚いたわけです。